* another sky *
夏休みに入ってからも、麻友理とは出来るだけ一緒にいたと思う。
一緒にご飯を作ったり、テレビを見て笑ったり。
急に泣き出してしまう、不安定な麻友理がとても心配だったから。
それでも私は、なるべく普段通りに接しようって、心がけていた。
人って、急に不安になったり、どうしようもなく寂しい気持ちになったりすることってあるよね。
誰かそばにいて欲しいって、思うこと、あるよね。
孤独に押しつぶされそうな時に、麻友理が一人にならないように。
いつだって甘えてもらえるように。
泣きたい時にはいっぱい泣いてもらえるように。
私は常にそばにいたと思う。
お互いの家を行き来して、たくさん話をして、そして一緒に眠った。
麻友理の部屋には私のものが、私の部屋には麻友理のものが増えていった。
こんなことぐらいしか出来ないけれど、麻友理を支えたかったんだ。
仲の良い、姉妹みたいねってみんな笑ってたけど。
少しでも早く立ち直って、穏やかな気持ちになって欲しい。
そう、心から、願っていた。
そして麻友理は決断する。
見ていて痛々しいくらい、
清々した顔で。