* another sky *
「おかえり、玲。
もう、絶対、―――――。
離すつもりなんか、ないから。
俺のそばで、笑ってくれれば、それでいい。」
―――――――!!
苦しくて、切なくて、……。
とろけそうになるくらい優しい声が、私に沁み渡っていく。
「好きよ、翼。
もう、離れない。」
そっと体を離した時、翼は嬉しそうに笑っていた。
翼のね、このきゅっと上がった口角が好きなの。
「ごめんね、いつもいつも、グダグダで。
でもね、私なりに、前に進んでるって…思う。
翼がそばにいてくれたから、今があるの。
もっと、…あの、…その、……。」
「ん?」
「…私、いつも、上手く伝えられなくて…。
えっと、……。
翼のそばにいると、緩々になっちゃうのは、……。」
あーん、どう表現したらいいんだろう。
こんなにも近くて、甘くて。
翼の腕の中は、私を癒してくれるっていうのに。
「じ、自分が自分じゃないっていうか、……。
好きとか、愛してるとか、そういう…言葉じゃないっていうか……。
翼と、交わりたい…?
翼と同化したい…っていうか…。」
「俺と…?」
そっと指で唇に触れると、翼の瞳が大きく揺れた。
「翼を、常に、感じていたいって…いうか…。
うーん、それって、好きって言葉に集約されちゃうのかな…。」
私は頬が赤くなるのを感じて俯いた。