* another sky *


「…あっ、…。」


性急な行為が、胸を付く。

首すじに、鎖骨に、翼の唇を感じて……。

何故か、切なくて、苦しくて、泣きそうになる。


「……っ。」


突然、動きを止めた翼が、大きな溜め息を漏らした。


「た、すく…?」


くっと下唇を噛みしめ、苦しそうに顔を歪めながら、私を見下ろしている。


「ごめ、…。

今になって、すげえ、ヤキモチ。」


――――――――!!


「…あの時、―――。

玲の腕を離したことに、後悔してんの。」


「たすくっ…。」


「すっげえ、嫌だった。

…だけど、何も言えなかった…。」


―――――――!!


「もう二度と、――――。

他の男になんか、触れさせない。」


そう言うと、私の両手を頭の上で固定し、私に体重をかけないように体を重ねる。

お互いの顔がぐっと近付いて、私の心臓はドキドキと脈打つ激しさを増していく。


「愛してる、玲。」


真っ直ぐに伝えられる、その強い思いに、私の心は射抜かれた。


「翼の、そばにいさせて…。」


「ああ、―――――。

絶対、離さない。

俺から…、もう、離れないでくれ。」


ねぇ、―――。


翼も不安になること、あるの?

私、翼に甘えてばっかりだ…。

こんなに強くて真っ直ぐな愛に、私は答えてあげられるのかな。


「後悔、させないから。

絶対、幸せに、するから。」

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