* another sky *


鋭く突き刺すような、悲鳴。


俺は咄嗟に、玲の携帯を奪い取る。


「もしもし、はいっ。


―――。


ええ、―――。


――――――。」


天井を見上げ、虚脱状態のまま座り込む、玲。


ガシガシと肩を揺らすけれど、反応が全く、返ってこない。



「わかりました。すぐに向います。」



まじ、か、――――――。



駄目だ、……。


俺もどうしたらいいのか、……。


頭が、パニクくって、―――――。



「……っ!!」



とにかく、玲を、――――。


玲を、病院に連れて行かなければ。


「…おいって。

玲っ、玲っ、―――!

しっかりしろっ。」


頼む、しっかりしてくれ…。

虚ろな視線は、空を漂ったまま。


「玲、ちゃんと聞いて。」


「た、すく…。」


「玲っ、――――!!

麻友理さんていう人、玲の親友なんだろ?

今、大変なんだっ。

すぐに病院に行かなきゃっ。」


頼む、玲っ!!

しっかり、―――しっかりしてくれっ!!


「玲っ、――――!!

大事な友達なんだろっ。

友達が、大変なんだぞっ!」


「…ま、ゆり…。」


「そう。麻友理さんに会いに行かなきゃ!!」


そう、麻友理さんだ。

ずっと、玲の頭にいた人、なんだろ…?


「んっ、―――。」


やっと、視線が、絡み合った。


焦点が合ったと思った、その瞬間、――――。


「麻友理が、自殺、したって、りょうちゃんが言うのっ!!」


玲の表情は、泣き顔に変わった…。
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