* another sky *
「ああ、――――。
玲、しっかりするんだっ。
麻友理さんに会いに、病院に、行くぞ。
用意、出来るな?」
「うんっ。」
「俺も一緒に行くから、玲、急いで着替えるんだ。
いいな?」
「わ、わかった…。」
「玲っ、――――。
大事な親友、なんだろっ。
しっかりするんだっ!!」
「は、はいっ。」
泣きじゃくりながら、ふらふらと動き出す玲を横目に、俺は急いで荷物をまとめる。
携帯と財布、鍵。
それだけあれば、何とか…。
玲のカバンに手を突っ込み、それらを探す。
よし、とりあえずは、……。
「…っ!!」
ふと振り向くと、玲はフローリングの床を見つめ、茫然と立ち竦んでいた。
ったく、―――――!!
そんな無防備な恰好じゃ、外に出れないだろ…。
Tシャツと、短パンのまま。
今にも座り込みそうになっている玲に、慌てて声をかける。
「玲っ、――――!!
大事な親友、なんだろっ。
しっかりするんだっ!!」
頼むよ、玲……。
血の気を失った顔色が、痛々しくて、見てられない。
「玲っ、着替えられるか?」
肩を揺すり、玲の瞳に訴えた。