* another sky *


「玲は、どんなことがあっても、僕が支えていきます。

一生、守っていきますので、安心してください。」


言葉に発した瞬間、……。

何だかふらふらゆれていたものが、固まった気がした。


「…っ、ありがとうございます。

私、玲には、…幸せになってもらいたい。

勿論、麻友理にもそう思っています。

だけど、今回のことは、玲が背負っていくには重すぎる…。

麻友理のことは、私がきちんと支えていきますから…。


どうか、玲を守ってあげて下さい。


お願いします。」



―――――――!!



あの日の、玲の言葉を思い返す。



『久しぶりに会えて、嬉しかった。

だけど、いろんなことがわかってしんどかった。』



そうか、そういうことか。


いろんな人の思いが重なって、玲は抜け出せないでいるのか。


これから先、玲が抱えていくだろう闇の深さに、やり切れない思いが渦巻く。


「たすくっ。」


気付くと玲が近くまでやって来ていた。


「どうした?」


不安そうに震える玲を抱え、そっとベンチに座らせる。

藤池さんも横に座り、しっかりと玲の肩を抱いていた。


「……っ!!」


藤池さんの肩に頭を乗せて、玲は放心状態のままだ。


かわいそうで、見てられないよ……。



だけど、―――。


俺は、今までと何ら変わりない。


どんなことがあっても、玲を、守っていくだけだ。

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