* another sky *



あれから、―――――。



玲からの連絡は、ない。


俺からも、しない。


玲が、決めればいい。


どんな答えであれ、玲はちゃんと俺に話してくれるだろう。



そう信じ、毎日を過ごしていた。



そんな俺に、玲からメールが届く。



翼へ


翼、この前はありがとう。

翼がいてくれて、心強かったです。

麻友理は意識も戻り、一般病棟に移りました。

今日、お見舞いに行ってきました。

ちゃんと…向き合って、話せたと思う。

やっと、やっと私は前に進むことが出来そうです。

翼、ずっとそばにいてくれてありがとう。あなたに支えられて、私は救われました。

でもね、少し時間をください。

我儘ばかりでごめんね。

前に進むことはできたけれど、気持ちの整理がまだつかないって言ったら怒るよね。

でも、こんな中途半端な気持ちでは…翼にも申し訳ないから。

気持ちの整理が出来たら、ちゃんと話をしに行きます。

勿論、翼が私のことをもういいって思っていたら、それはそれで構いません。

今まで一緒にいてくれたこと、翼と過ごせて私はとても感謝しているから…。

ありがとう、翼。

こんな私を好きになってくれて、ありがとう。



は、―――――?


何だ、これ?


勝手なことばっか、書きやがって。



別れの言葉のようなメールに、かなりイラつく。



ったく、―――――。


毎度、毎度。


俺の言葉は、玲にはいつも伝わらないんだ。




もう、




勝手に、




しろ――――。





俺はそんな答えが聞きたかったわけじゃない。

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