* another sky *


「何が合ったのかは聞かないけど、もう最近、怖くて仕方ない。」


「ほんまや。あいつ、全然、笑いよらん。

あのアホ、ほんま、わかりやすいからな。」


俺は少し可笑しくなって、諏訪さんに視線を向ける。


「まあ、仕事はきっちり仕上げてくるから、ええんやけどな。

ただ、余裕が、ない。」


「僕は仲直りも何も、喧嘩してるつもりも、ないんですけどね。

ただ、―――。

…あの、玲ってわかりやすいですよね。」


「ほんと、わかりやすいわよね。

話しかけないで、オーラ出しまくってるから、敢えて、ちょっかい出したくなるの。」


桜木さんはケラケラと笑い出す。


「今日あたりね、ガス抜きさせようと思ってたの。

だから、――――。

もしかしたら翼くんに皺寄せ、行っちゃうかもしんない。」


―――――――!!


悪戯っ子のようにキラキラと輝く、桜木さんの瞳。


「あいつ、のってくるか?」


「だーいじょうぶっ。

吉野のことは、把握してるから。」


ふはっ。

玲が言った通りだ。

この二人には敵わないね。


「わかりました。

思いっきり、抜いてやってください。」



そして、夜中、――――。


ベロンベロンに酔っ払った桜木さんから、電話が入るわけなんだが。

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