* another sky *


「たすく、くーん。

吉野、行くかもよーっ。」


「へ、――――??

桜木さん??」


ソファでウトウトしていた俺は、着信の鳴り響く音で目が覚めた。


「吉野、ね。

翼くんに、会いたくて仕方ない、らしーの。

我慢しちゃって、泣きそうになっちゃってぇー。

ははっ、ガス抜き、成功、したみたいよーっ。

えーっと、えーっと。

あとは、よろしくねーっ。」


―――――――!!


「え、―――。

ちょ、ちょっと。」


「吉野、諏訪くんがいいとか言い出すし、困っちゃうよねー。

――、ありゃ、電話、落としたーっ。」


「ああ、もうっ。

あ、上原選手??」


「す、諏訪さんっ??」


「ごめんなあ、酔っ払ってて。

今、吉野、タクシー乗せたから。」


「え、――――?

こっち、来るんですか?」


俺は慌ててソファに座り直す。


「いや、わからんけどな。

まあ、だいぶ桜木に煽られとったからなあ。

もしかしたら近いうちに行くんとちゃうか。

ま、そういうことや。

すまんな、夜遅くに。」


「あ、はい。わかりました。」


「ちょ、ちょっと、もうっ。代わってよぉ。」


桜木さんの声が聞こえたかと思うと、


「あ、翼くん…?

吉野がね、私も幸せになりたいって、言ってたから。

それだけーっ。

じゃあ、後、よろしくねーっ。」


そして、ブチっと電話は切れた。



――――――――。

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