* another sky *
あ、髪、切ったんだ……。
レモンイエローのTシャツに、白いレギンス。
にこにこしながら走ってくる麻友理は、真夏の空がすごく似合っていて、なんだか眩しくなるくらい爽やかだった。
「玲に会えるなんてっ。ラッキー。」
大げさなくらい嬉しそうに抱きついてくる麻友理に、私はちょっと照れてしまう。
麻友理、たくさん笑ってる―――。
良かった。
ちゃんと話せてるんだよね…?
この一週間くらい、麻友理は高橋君と連絡を取り合うようになっていて。
正直、どうなってるのか、心配だったんだよね。
「麻友理ちゃん、久し振りだね。」
「あ、こんにちはぁ。」
麻友理は慌てて体を離すと、航太にペコリと頭を下げた。
「うちの玲がいつもお世話になってまーす。」
にっこりと笑い、私と顔を見合わせる。
「いえいえ、こちらこそ。
うちの玲がいつもお世話になりまして。」
航太もそれに倣ったように頭を下げて笑顔を見せた。
「ふふ、渡瀬さん。
玲は私にも共有させてくださいねっ。」
そう言いながら私の腕を組むと、航太の顔を綺麗な笑顔で覗き込んだ。
「ねぇ、髪、切ったの?」
「うん。さーっぱり。」
いつもくるん、と綺麗に巻かれていた麻友理の長い髪の毛は、すっきりとしたショートボブに変わっていた。