* another sky *


「二人の間に、――――。

私の知らない時間があるって思ったらね、どうしようもないくらい、切なくなっちゃって。

そんなこと思う自分に、びっくりしちゃったの。

翼、見てたのに、って。

翼にどんなふうに思われたんだろうとか…。

罪悪感とか、そんなふうに思う自分が嫌で…、翼に連絡出来なかった…。」


正直過ぎる告白は、俺の心を揺すぶる。

厳しいけれど、これが真実。


「忙しさを理由に逃げてた、と思う。

このままフェイドアウトしても仕方ないのかもって…。」


大きく、息を吐いた。

玲は、自分がわかっていない。

フェイドアウトなんて出来ない人間なんだって。

どんな結末でも、俺に伝えようとしただろう。

たとえ、時間がかかったとしても…。

玲は、そういう人間だ。


「俺は、玲がちゃんと連絡してくれるって思ってたよ。

馬鹿みたいに律義な人だから。」


「……っ。」


じゃないと、あんなメール寄こすはずがない。

あんな残酷で、情けも容赦もないメール…。

俺は、自分の恋人の非道さに、打ちのめされたんだぞ。


「…そう、私、馬鹿だよね。

勝手にひとりで、ややこしくして。」


―――――。


俯いた瞳に、涙が溢れ出した。

自分の気持ちを正直に言葉に表しながら、今、まさに自分と向き合っているんだろう。


さぁ、玲、―――――。


玲は、どうしたいんだ?
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