* another sky *
「あ、あの、翼がもういいって、思ってるならそれでいいの。
私は自分の気持ちを伝えたかったの。
酔ってなきゃ、言えないっていうか…。
お酒の力で言っちゃえって、―――。」
「玲って。」
「翼の、ことが必要なの。
私、翼にそばにいて、ほしいの…。」
「なあ、玲…。」
「いいの、翼、断ってくれて。
こ、困るよねっ…。」
「玲って。」
「でも、私、翼が好きなの―――。」
「…っ!!」
聞いて、くれよ、もう。
本当に、この人は…。
俺が玲をどんなに好きなのか、まだわかんないで、いるのかな。
勝手に離れて、勝手に悩んで。
結果、俺の気持ちは無視で、別にいい、とか言いやがる。
頼むよ、玲…。
何かもう、突っ込む気力すら失せてきた。
「…酔ってない時に、ちゃんと聞けて良かったよ。」
ふはっ。
たまらず、笑ってしまった。
ほらね、―――。
え、何が?みたいな顔をして。
自分の気持ちを伝えたら、相手がどう思ってようが、どうでもいいのかよ。
「玲、――――。
何でだろうね。
俺、何度も言ってるのに、玲にはなかなか伝わらない。」
「た、すく…?」
「全部、受け止める覚悟が出来てるって言ったろ。
まだ、わかんない?」
「ふぇぇ…。」
「ちゃんと、聞いてくれよ。」