* another sky *

心から、願うよ。

お願いだから、俺だけを、見て。

俺だけを見て、笑ってくれ。


「好きよ、翼。

もう、離れない。」


ああ、やっと。

やっと、玲は俺だけのものになった。


手に入れたくて、手を伸ばしたのに、いつも届きそうで届かなかった。

いつもどこかに…、前の男がいるようで…。

比べられてたわけじゃない。

ただ、俺自身、――――。

超えられるのか、不安だったんだ…。

そんな俺の気持ちなんか、全く無視しやがって。


「ごめんね、いつもいつも、グダグダで。

でもね、私なりに、前に進んでるって…思う。

翼がそばにいてくれたから、今があるの。

もっと、…あの、…その、……。」


「ん?」


泣きそうになる俺を、玲は優しく包み込む。


「…私、いつも、上手く伝えられなくて…。

えっと、……。

翼のそばにいると、緩々になっちゃうのは、……。」


玲の人差し指は、俺の唇にそっと触れていく。

俺は昨日の甘くて可愛い玲を思い出していた。


「じ、自分が自分じゃないっていうか、……。

好きとか、愛してるとか、そういう…言葉じゃないっていうか……。

翼と、交わりたい…?

翼と同化したい…っていうか…。」


「俺と…?」


「翼を、常に、感じていたいって…いうか…。

うーん、それって、好きって言葉に集約されちゃうのかな…。」


玲は、最強だよ。


ったく、――――。


惚れた方が負け、って本当なんだな…。

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