* another sky *
うん、やっぱ麻友理は綺麗なんだなって、再確認。
ほらね。
通り過ぎていく男の子たちも、麻友理の方を振り返って見てるから。
前より一層、華やかになって、麻友理の綺麗な顔立ちが光彩を放っている。
「すっごい、似合ってるよ。」
「ほんと! わあ、良かった。
ショートなんて、中学生以来なの。
玲に言われると、嬉しいな。」
麻友理はちょっと照れくさそうな顔をして、髪を掻き上げた。
「ね、二人は今日はデートなの?」
「うん。旅行の申し込みをね。麻友理は?」
「明日、実家に帰るからね。
おばあちゃんにお土産を買いに。」
ほら、あそこ、と、通りの奥にある老舗の和菓子屋さんを指さした。
「麻友理ちゃん。
良かったらランチ、一緒に食べない?」
航太の、さりげない誘い方が心地良くて、私は頬が緩んでしまう。
こういう気遣いが、さらりと出来ちゃう人なんだよね。
「いいです、いいです。
私、お邪魔だもん。」
麻友理は恐縮しながら、断ろうとする。
「お邪魔じゃないよ。ね? 航太?」
せっかく一緒になったんだもん。
三人でランチ出来たら、嬉しいな。
そんな思いで、航太を見上げる。