* another sky *


「…あっ、…ん。」


性急な行為が、胸を突く。

触れるたびに玲の吐息が、耳に届いて…。

何故か、切なくて、苦しくて、泣きそうになる。


「……っ。」


「た、すく…?」


急に動きを止めた俺を、玲は不安そうに見上げていた。


だろう、ね…。

今の俺、自分でもどうしたのか…わかんないや。

激しい憤りが、身体中に蠢いて…。


「ごめ、…。

今になって、すげえ、ヤキモチ。」


――――――――!!


玲が…。

他の男に抱かれている姿が、目に浮かんだんだ。


「…あの時、―――。

玲の腕を離したことに、後悔してんの。」


猛烈な嫉妬が襲い掛かる。


嫉妬…?

こんなの、初めてだ。


玲の両手を頭の上で固定し、体重をかけないように体を重ねた。

お互いの顔もぐっと近づき、玲は驚いた表情で俺を見返す。


「たすくっ…。」


「すっげえ、嫌だった。

…だけど、何も言えなかった…。」


―――――――!!


そう、だよな…。

ごめん、玲…驚かせて…。


「もう二度と、――――。

他の男になんか、触れさせない。」


ただ、この胸にあいつが唇を寄せたかと思うと―――。

悔しくて、苦しくて。

もっと早くに出会っていれば良かった?

いや、あのタイミングだからこそ、俺は玲と一緒にいるんだ…。

それなのに、何なんだ、この悔しい思いは…。

今、玲は俺の目の前にいるのに!!
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