* another sky *
だけど、高橋君と連絡が来るようになって。
麻友理は少しずつ落ち着いていったというか…。
やっぱり、高橋君の威力は大きいんだ、と痛感した。
高橋君の存在自体が、麻友理の原動力、になってると思うんだ。
「帰省中にご両親にちゃんと話すって…。
卒業したら一緒に帰ってくるって、思ってるからって。」
「そっか。」
「就職のこともあるしね…。」
地元で就職するつもりだった麻友理。
ご両親も、娘の帰りを楽しみに待っているみたい。
でも、別れてしまった今となっては、こっちで就職したいなって、言ってたけど…。
説得は難しいかもって、ちょっと悩んでるみたいだった。
「でも彼女、なんか吹っ切れたみたいだったな。」
うん…。
そう見えるよね…。
でもね、さっき。
なんだか、ふとした表情が少し寂しそうで…。
無理してるのかな?って、思えたんだ。
時間が解決…してくれるっていうけれど。
心を癒すのに、どれくらいの時間が必要なんだろう。
私は単純に、麻友理に笑ってほしかったんだと思う。
麻友理の笑顔は、本当に素敵だから。
でも、私にまで気を使って…。
無理をして笑顔を見せているとしたら…?
私がしていることは自己満足だったのかな…。