* another sky *
「他の子たちはね、彼氏とイチャイチャ惚気た話ばっかりなのに。
玲はね、一生懸命、渡瀬さんに追いつこうと頑張ってたんだよね?
渡瀬さんの好みに合わせていったのは、喜んでもらいたかったんでしょう?」
綾子の言葉に、胸が詰まる。
勝手にね、思ってたの。
航太の横に並ぶには、私もそれなりのステイタスが必要だって。
私が思い描く、将来の未来予想図。
勿論、結婚して、ずっと一緒にいたいと思ってたよ。
だけど、明確な思いは、――――。
いつか二人で、一緒に仕事を手掛けることだったから。
バイト先で出会ってからずっと、航太は私の先を歩いていた。
いつか、追いつきたい。
隣に並んで、航太を、支えたい。
それが、私のモチベーションだったから…。
卒業制作の光の公園…。
あれは誰よりも、航太に褒めて欲しかったんだ…。
「玲、頑張ったな。」
そう言って、抱きしめて欲しかった。
だけど、―――――。
『航太を幸せにしてあげられるのは、玲じゃなくて、私。』
麻友理の放った言葉は、私にとって衝撃以外の何ものでもなかった。。
幸せにしてあげられる…?
二人で、一緒に、という私は間違っている…?
いつも隣で、お互い支え合っていきたいと思っていた、私の気持ち。
航太の安らぐ場所を与えてあげたい、と考えていた麻友理。
航太が、…麻友理を選んだということは、…。
恋人に、癒しの場所を…求めていたってこと…だよね?