* another sky *
「何で、―――??って、真面目に聞かれるんだよ?
絶対、ピンクだよ!
着たら似合うよ!
何で、わかんないのーっ?って!!
まるでピンク以外、考えられない、くらいの勢いなんだもんっ。」
紺ちゃんと綾ちゃんは爆笑しながら聞いている。
「翼君は、セルフプロデュースに自信があるんでしょ?」
「まあ、それはきちんと話し合わなきゃね。
一生に一度の、結婚式だしね。」
「玲ちゃんて、すげえ、愛されてるんだな。」
「っていうか、ね。
玲はさ、男から見て女の子はこうであってほしいって、思わせる顔立ちなのよ。
しかも小さいし華奢だし、俺が守ってあげなきゃって思わせるキャラ。」
「…そんなキャラじゃないもん…。」
「確かに―。」
「実際の玲ちゃんは、男らしいもんなあ。
あんなすっげえ急降下、がんがん行っちゃうし。」
紺ちゃんは目を細めて笑う。
「あれねー。
あんな玲見たら、普通、男は引くよね。
佐藤君、玲に負けたことが悔しくて、あの後しばらく山に籠ってたもんなあ。」
「もうっ、コーヒーおかわりっ。」
二人とも言いたい放題、言っちゃって。
私はマグカップを紺ちゃんの前に突き出した。