* another sky *
「…玲?」
「―――、翼?
頭、痛いの?」
心配そうに覗きこむ玲の表情に、俺はたまらなくなって玲の腕を掴んだ。
「玲、…隣に来て。」
ベッドの中に誘い込むと、玲はゆっくりと顔を近付け、俺の頬を触る。
もう一度、額に手を当て、
「風邪かな…。」
と呟いた。
熱なんか、ないよ。
ただの二日酔いだし。
「……っ。」
そっと瞳を開けると、間近に玲の顔。
長い睫毛が心配そうに揺れている。
「大丈夫??」
「うん。飲み過ぎて、頭、痛いだけ。」
思わず、正直に答えてしまった…。
あーあ。
「昨日、誰と一緒だったの?」
―――――――!!
玲ちゃん、その眼差しは…、ヤキモチですか?
俺は嬉しくなって、つい、白状してしまう。
「諏訪さんだよ。」
「へ? 諏訪さん??
諏訪さんと飲んでたの?」
「うん、――――。
ちょっとね、むしゃくしゃしてたし。」
「そっか…。」
そっと伏せられた視線を追いかけて、覗き込んだ。
ゆっくりと頭を上げて、玲を引き寄せキスをする。
「んっ、…。」
戸惑ったような表情を無視して、俺は何度もキスを繰り返した。
「…翼、あのね。」
玲、どーした?
俺、もう怒ってないよ。
そんな意味を込めて、優しく見つめ返した、俺。