* another sky *
「俺だって、玲のこんな可愛い格好、見たいよ。
二人で出かける時に、こんな格好してくれたら嬉しいじゃん?
だけどもう、一生してくれないの?
あいつのせいで?
それは嫌だよ。
俺が負けたみたいで、すっげえ不愉快。」
「翼…。」
「あいつのこと、まだ思い出す?
俺の気持ち、まだあいつに負けてる?
それとも玲は、俺よりもあいつの方が好きだったってわけ?」
「そんなこと、ないよっ!!」
「じゃあ、いいじゃん。
俺は玲がどんな格好でも、別に気にしないんだけどさ。
俺の為に、おしゃれしてくれたら嬉しいって言ってるの。
それだけでテンション上がるくらい嬉しいのに、あいつのことを思い出すからって、俺が我慢しなきゃいけないの?」
玲は困ったように、首を傾げる。
「うーん、―――。
…そうきたか。」
「……っ。」
――そう、きたか、だって…?
「結婚式のドレスはもういいよ。
玲の好きにしたらいい。
そこまで頑なに拒否られたら、別に無理強いする気もないし。
着るのは玲だしな。
玲が好きに選んだら、いい。」
――――――――。
駄目だ。
必死に抑えようとしても、玲の態度がムカついて、止まらない。