* another sky *
「でも、あいつとのことを思い出すから嫌だ、なんて言われたらそれはムカつくし、めちゃくちゃ不愉快。
何であいつに譲んなきゃなんないのか、わかんねぇ。
あいつとの思い出の方が大事か?
俺よりもあいつとの基準の方が、比重が重いってことだろ?
だったら勝手にしてくれよ。
服装くらい、どんな格好してようが俺にとって、玲は玲だからな。
俺が遠慮してやるよ。」
一気に捲し立てると、さすがに玲も息をのんでいた。
当然だろ、――――?
あの頃を思い出すからって、あの頃って何なんだ?
今は、どうでもいいのかっつーの。
「翼…。」
「頭、痛いし、寝る。」
玲、あまりにも俺を軽んじてないか?
いつまで、あいつに振り回されてるんだよ。
俺は玲の顔が見えないように、布団を被ってしまう。
「ごめん…、少し考えさせて―――。」
―――――――!!
そのひと言に、俺の中の何かが、キレた。
考えさせて??
俺はまだまだ、あいつには及ばないってことか…。
ああ!!ムカつく!!
「いいよ。服くらい別にどーでも。
いつまで経っても、航太、航太、航太って。
俺が何でも許すと、思ってるんだろ?
俺は待つって言ったよ?
焦んなくていいって言ったよ?
だけど、あいつに遠慮なんかしたくない。
俺は俺だ。
俺ならわかってくれるだろうって、俺が諦めて当然みたいな言い方されると、蔑にされてるみたいで、めちゃくちゃ腹が立つ。」
「そ、そういうわけじゃ…。」
「そういうことだろっ、――――!!」