* another sky *

◇ TASUKU


家に着くと、

「ちょっと待っててね。」

と、自分の部屋へと消えていく。


―――――??


結構、買い物してたし、片付けてるのかな。

そう思って待ってはいたけれど、30分経っても出てこない。


「れーい。何、してんの、まだ?」


リビングで寛いでいた俺は、ソファから立ち上がる。

片付けなんて、後にすればいいのに…。

様子をみようと、玲の部屋のドアを開けようとした瞬間、その扉が開いた。


――――――!!!


「うわっ!!!」


ぴょこんと、部屋から出てきた玲は、恥ずかしそうに笑っている。


「どう、――?似合うかな??」


さっきとは違う、ワンピース姿。

玲には珍しい、薄紫の綺麗な色。

胸元が大きくスクエアに開いたそれは、玲の綺麗な鎖骨を引き立たせていた。

ふわふわに巻かれた髪から覗く耳には、キラキラと輝くピアスが揺れていて。


う、うわー…。


「めちゃくちゃ可愛い。」


パフスリーブにハイウエスト。

実に、女の子らしいではありませんか。


「ほんとっ??」


嬉しそうに笑いながら、スカートの裾を持って、くるりと一周回って見せる。


か、可愛い…ぜ。

っていうか、可愛さMAX…。

いやいや、落ち着け、落ち着け。

ちょっと冷静になろうぜ、俺。
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