* another sky *

「…翼…。」


「何?」


「キス、して…。」


「何、玲。聞こえないよ?」


潤んだ瞳で、恥ずかしそうに下唇を噛む。


「キス、して…。いっぱい…。」


あーあ。そんな顔しちゃって。

ほんと、俺、玲にメロメロだ。

本当は俺も、我慢出来なかったんだけどね。


キスをする度に、目を閉じる玲。

何度も角度を変え、軽いタッチで唇に触れていく。


目を開けてよ。

そしたら、またキスをするよ。

きっと俺の目尻は下がりっぱなしだね。


下唇をそっと噛み、上唇を舐める。

少しずつ開かれていく唇がいやらしくて俺は興奮する。

俺だけにしか、見せない、玲の官能的な表情。

わざと音を立ててキスをすると、恥ずかしそうに身を捩るんだ。

まだ舌は入れてあげないよ。

触れては離れての繰り返しで、もう、お互いの瞳以外、見えないね。


「好きよ、翼…。」


玲は吐息に塗れて囁いた。


あー、幸せだ。

どんどん余裕がなくなっていく自分が、可笑しい。


――――――!!


ああ、そうだ。


「せっかく綺麗なワンピースだし、皺になんないように早めに脱いじゃおう。」


「ば、ばかっ。」


玲は真っ赤になって、俺を突き放そうとする。


だけどね、―――。

脱がせやすいように、素直に体を浮かせてくれるところが、可愛いんだな…。

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