* another sky *

「玲、めちゃくちゃに、啼かせたいよ。」


「…翼、怖いよ…?」


玲の髪に指先を絡ませ、頭を俺に向かせて固定する。

俺の両手の中に包まれた、玲の小さな顔が、真っ直ぐに俺だけを見つめている…。


「玲も、したいでしょ?」


耳元に唇を寄せ、意地悪く囁くと、玲の体がぎゅっと固まった。


「…た、すくっ…。」


恥ずかしそうに唇を噛みしめながら、玲は、俺の胸を叩いて反抗する。


そんなことしても、無駄だよ。

可愛い抵抗は、俺の気持ちを煽るだけ。

あっさりと両手を掴まえると、頭の上で固定した。


好きな子には意地悪したいんだよね…。

ったく、屈折してるなあ、俺。


太ももを持ち上げ、そっと手のひらを滑らせると、きゅっと唇を噛みしめて俺を見つめる。


「ごめんね、玲。

せっかく綺麗にしてくれたのに…。

俺、我慢、出来ないや。」


するりと這わせた指先が、玲の身体を捩らせる。


「た、…すく…。」


ああ。

もっと、俺の名前を呼んでくれ。


「…っ、…あ…、んっ…。」


ほらね。

離れた唇から洩れる、玲の甘い吐息が、俺を突き動かすんだ。

主導権を握っているようで、いつも最後はその可愛い声にやられてしまう。


「愛してる…。」


余裕なんて、最初から持ち合わせていない。

玲のことになると、俺はいつも必死になる。

気が急いてしまう俺を、玲はそっと抱き寄せた。


あー、もう。

わくつかせてくれるね…。


今日はもう、逃がさない。


朝まで…抱かせてくれ…。
< 639 / 769 >

この作品をシェア

pagetop