* another sky *

「翼っ、―――!!」


「おお。もう、終わったの?」


ソファに寛いでいた翼は、梨花の顔を見て、立ち上がった。


「紹介するね。私の親友の、山岸梨花さん。」


「はじめまして。上原です。」


「はじめまして。山岸です。

玲の結婚式には主人と一緒に出席させていただく予定です。」


おおっと、梨花…。

翼には、めちゃめちゃ笑顔だし!!


「ありがとうございます。」


「いえいえ、―――。

あの、…玲のこと、よろしくお願いします。

この子、弱音が吐けなくて、強がっちゃう子なんです。

本当はすごく繊細で、甘えん坊なんですよ。

どうぞ、玲の支えになってあげてください。」


―――――!!


梨花…。


ちょっぴり涙ぐみながら、梨花は翼に頭を下げた。

きっと翼も驚いたと思う。


だけど、―――。


「僕は玲を必ず幸せにします。

でも、僕だけじゃ、だめなんです。

玲は何より友達を大切にしています。

梨花さん、どうかこれからも玲の親友でいてあげてください。」


そう言って、きちんと頭を下げる翼に、梨花はさらに目を潤ませていた。


「俺、なんかものすごくいい人みたい。」


梨花がこの場を離れてから、翼は私の耳もとで囁いた。


「何で??」


「玲のことが好きで、一緒にいるのに、みんなに感謝されてさ。」


―――――!!
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