* another sky *
だって、慣れないんだもん…。
「わかってるんだけど、目の前で腕とか組まれるとドキドキしちゃう。」
「ありがとう、玲。
ヤキモチ焼かれると、すっげえ嬉しい。
特に今日みたいに、玲の友達がたくさんいるところで、そう思われると尚更だよ。」
翼はにっこりと笑って、みんなの見ている目の前で、私の肩を堂々と抱き寄せた。
厳かで風格のある佇まいの大聖堂は、ブルーのステンドグラスが圧巻だった。
長いバージンロード。
アンティークな長椅子にパイプオルガン。
まるでヨーロッパの古城のような雰囲気に、気高さを感じるチャペル。
パイプオルガンが鳴り響き、重々しい扉がゆっくりと開く。
うわあ、――――。
綾ちゃん…綺麗…。
結婚式が近付くに連れて、どんどん綾ちゃんは綺麗になっていった。
ああ、…駄目だ。
いろんなことが思い出されて、私は涙を抑えることが出来ない。
いつも二人には、助けてもらって…。
もう、紺ちゃんの嬉しそうな顔!!
幸せそうにはにかみながら、紺ちゃんの元へ歩いていく綾ちゃん。
腕を組む、お父さんの目に、涙が光る―――。
―――――!!
感動している私の左手に、翼はそっと触れる。
「翼…。」
そっと見上げると、翼もすごく幸せそうな顔をして微笑んでいた。