* another sky *
「結婚式って、いいね。」
ソファにのめり込むように座る、放心状態の私…。
「玲ももう、すぐじゃない。あっという間よ。
綾子のお式で、せいぜい勉強しておきなさいよ。」
梨花は笑いながら、私の頬をつんと突く。
「ひゃああ。本当だね。勉強させてもらっちゃお。」
「玲、俺、ちょっと電話してくるから。」
翼が離れると、梨花は呆れたような顔で私を見つめた。
「綾子から聞いてはいたけど…。」
―――――??
「上原さんの、玲の溺愛っぷりには、びっくりよ。」
「へ??」
「何よ、あれ。
式の途中、ずっと手を繋いでたでしょ。
玲を見守る上原さんの視線が甘くて甘くて、どうしようかと思ったわ。」
「そ、そんなことないって。」
「何、言ってるのよ。
人前で堂々と、よしよし、なんて出来ないわよー。」
あはは…。
確かに、そういうところは、翼は普通と違うから、ね…。
人前とか、全く気にしないし。
「だから、なのね。」
「え、何が??」
「渡瀬さんと付き合ってた時の玲は、どこか自分を抑えてたイメージしかないもん。
良い子でいようと、してたんだよねー。」
―――――!!
「今はさ、憎たらしいくらい素直になっちゃって。
上原さんのおかげよねー。
あんなに堂々と愛されたら、女として嬉しいわよねー。」
「うん、…。
翼は、私の弱いところも全部受け止めてくれるから…。」