* another sky *
「あ!!ノロケたでしょっ!!
やだー。玲の口からそんな言葉が出るなんて信じられない。」
信じられないよね?
私も信じられないもん。
翼と出会ってからだよ。
人を愛することが、こんなにも幸せな気持ちを生み出すんだって、実感してるんだもん。
「さっき、感動しちゃったー。」
―――――??
「彼女の友達にさ、僕は玲を必ず幸せにしますってなかなか言えないよ?
私、胸がぐーっと詰まっちゃった…。
上原翼、格好いいー。
私、ファンになっちゃう。
絶対、モテそうー。
しかも、年上に人気ありそう…。
絶対、いやー。
無理ー。
あー何で、玲、なんだろ。
そこは意味、わかんないよね。」
「何でよっ。でも、私も、何で私なのかなって思う事がよくある…。」
「ほんと。何で、玲だったんだろう。後で、聞いてみようっと。」
私たちはケラケラと声を上げながら、笑い転げていた。
緊張と嬉しさと、いろんな感情が混じり合って、テンションが高くなっていたんだ。
だから、気付かなかった。
航太がすぐ近くに来ていたことに。
「ちょ、―――!! 玲っ。」
「え??」
「来たっ、来たっ!!」
小声で囁く梨花の視線に、私も目を向けた。
あ、―――。
航太が私の方へ、近付いてくる。