* another sky *

玲が、幸せだなって感じてくれるなら、それは凄く嬉しいこと。

だけど、玲の友達から、玲が幸せそうだって聞くと、尚更嬉しい。


やばいな。

つい、頬が緩んでしまって、締りがない、俺…。


「正直、玲と、私と綾子は、全く違う人種っていうか。

玲を通して麻友理とも仲良くなったけど、麻友理はまた違うタイプだったし。

派手な私たちと、美人でファンも多かった麻友理でしょう。

男受けするグループの中で、玲はいたって普通の女の子。

ずっとスポーツしてたからかな、絶対、人に媚びないし、考え方が男前で。

考えてみたら玲が一番人気だったかも。

あ、女の子に、ですよ。

男子は圧倒的に麻友理が人気だったから。」


へぇ―。

学生時代の玲って、新鮮だ。

なかなかその頃の話は聞けないし…、ね。


「4人でいることが多かったんですけど。

いつも玲は笑ってたなあ。

玲がみんなを繋げていた感じ。

だからね、許せないんだと思う。

玲が上原さんと出会えたのは、過去があったからだって話してたけど。

せっかく前みたいに明るい玲が戻ってきたのに、あの男、何考えてんのかなあって。」


梨花さんは、ちょっぴり俺に遠慮したように笑った。


「もう、玲と接触しないでほしいわ。

入る余地なんか、ないのにね。」


本当に嫌そうな表情を見せるから、俺は可笑しくなって笑ってしまう。
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