* another sky *

ふてくされている私の頭に、翼の手のひらがそっと乗せられた。


「玲、ごめんな。」


翼が悪いんじゃない。


「ちが、…。そうじゃない。」


翼を謝らせてしまう、器のない自分が情けない。


「私の我儘だから。

翼、謝らないで。

ごめんなさい。ちゃんとわかってるから。」


――――。


「ったく、玲は、――――。

困ったなあ…。」


ふっと優しく笑うと、柔らかな眼差しを私に向けた。

下から覗きこまれると、翼の長い睫毛が揺れているのがわかる。


「これも、俺だから…。」


翼は私の目を真っ直ぐに見つめて言う。


「玲の前で、こういうことをするのは…、俺も気が引けるところもあるんだ。

ファンサービスって言ってしまえば、それまでなんだけどさ。

…どこまでがファンサービスなのかは、人それぞれ、だよな。」


わかってる。


翼が、応援してくれる人たちを、何より大切にしていることは、誰よりもわかってるつもり。


独りよがりの、勝手な我が儘…。


「俺は、玲を裏切るようなことは絶対にしないし、悲しませることはしない。

だけどね、これはわかってほしい…。

玲がわかってくれなくても…。

やめるつもりもない。」


―――――!!

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