* another sky *
「…ごめんなさい。
翼が私を傷つけたりしないこと、一番わかってるつもりだったのに。」
信じていないのは、私の方。
いつも翼に甘えて、一人で立てずにいるから…。
「もう…、二度と、言わない。
翼を…、信じてるから。」
信じてあげられなくて、ごめんね…。
「玲は、俺がどれだけ玲のことが好きか、まだわかんないんだね。
それが俺はびっくりだよ。
…ったく。
少しは自覚しろよ、ばーかっ。」
――――!!
ば、ばーかっ??
馬鹿って言われたの??
目を丸くする私の頬に、翼は「ちゅ。」とキスをした。
―――――!!
「た、翼っ!!」
狼狽える私に、平然とした態度で教壇の方に瞳を向ける。
「もうすぐ、俺たちも誓えるよね。」
「え、―――。」
「永遠の、愛。」
「……っ。」
まるで企みを打ち明けるように、耳もとで囁くと、私の頭をそっと抱き寄せた。
翼の肩にもたれていると、さっきまでのささくれた気持ちが和らいでいく。
「翼…、ごめんね。」
「…何が??」
「いろいろ、と。」
―――――。
「いろいろと、ね。」
黙っている翼の心の中はわからないけれど、私はこの人を一生支えていこうと、心に決めた。