* another sky *

「玲がこんなになったの、初めて見たんだけど。」


梨花さんは目を見開いて笑い出し、玲の頭をぱしりと叩いた。


「いたーい。

梨花、痛い、から。」


玲の反応が面白いらしく、梨花さんは大爆笑…。


あー…。

酔っていない、俺が悪いのか…。


っていうか、酔えねえーよ。


「いつもこうなの??
っていうか、玲って酔うとこうなるんだあ…。」


「だいたい、グダグダ。」


「へえー。飲み会とかでもあんまり飲まないイメージだったのに。

玲がいるから私や綾子は安心して飲んじゃって。

いつも玲の家に転がり込んでたなあ。

ちゃんと着替えさせてくれてね。

ふふっ、おかん、かっ、てね。」


「そうなんだ。」


今じゃあ、それ、俺の役目かも…。


「上原さんにはとことん素を出してるんだ…。ふーん。」


「んー、たすくーぅ、お水―ぅ。」


「はい、はい。」


「しかも、上原さん、甘やかし過ぎ。」


怪訝な顔をして首を傾ける梨花さんに、俺は説明する。

結局、次の日に、玲は何も覚えていないこと。

言う事を聞いていれば、そのうちおとなしく寝てしまうこと。

小言を言うと、逆ギレし出すこと。

そうなると泣き上戸になって、手がつけられなくなること。


「わ、最悪じゃん。」


手を叩いて笑い出す梨花さんに、玲も何が嬉しいのか、満足そうに頷いた。

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