* another sky *

「映画、見終わったからさ、玲を起こそうとしたんだよね。」


…うん。

私は瞬きで、返事をする。


「そしたらさ、玲の口にクラッカーがついてて。

拭いてあげようと、思って。」


そう言うと、ゆっくりと私の唇を舐め上げる。


「ひゃっ!!」


「そしたらさ、―――。

玲が、「好き」って、可愛い声で寝言なんか言うからさ。」


へ、―――??

言ったっけ??


「キスしたら、また、「気持ち、いい」って言うじゃん?

そんなこと言われたら、やめられないだろ?」


「え、―――。」


「すっげえ、気持ちよさそうな顔してるし、このままいいかなって。」


い、いいかなって、って…。


翼の長い睫毛が、至近距離で揺れている。

そんな甘い顔で見つめられたら、どうしていいかわかんないよ。


「続き、してもいい??」


言い終わらないうちに、翼は私の首へと顔を埋める。


え、―――。


「ちょ、ちょっと、待って。」


「無理。スイッチ、入った。」


ゆっくりと首を舐め上げ、そっと耳たぶを噛む。


「ん、…っ。」


ドキン、と心臓が跳ねる。

思わず顔を背けると、翼は容赦なく熱いキスを落としていく。


「ほら、Tシャツ、脱がしちゃうね。」


ってもう、脱がされてるし!!


いとも簡単にホックに手をかけると、翼は私の胸へと顔を埋めた。

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