* another sky *

「た、たすくっ。待って、―――。」


「やだ。」


リビングの照明は明るいままで。


「電気、消してっ。」


私は必死で訴える。

こんな明るい中で、恥ずかしすぎるよ…。


「…俺、足痛くて、動けないから、無理。」


―――――!!


翼から返ってきた言葉は、無常、極まりなく。


「もうっ。動けるじゃ――――。」


最後まで言えずに唇は塞がれた。


いつもは優しいキスの雨も、今日は激しくて熱い…。

苦しくて、必死で酸素を求めても、その開いた唇から翼の舌が侵入してくる。


「…んっ、ん、…っ、―――。」


両手はしっかりと握られ、逃げ場を失った私は、為されるがまま。

明るい光の下で、恥ずかしさも吹っ飛んでしまうくらい、翼の熱に冒されている。


「…玲、どうしてほしい?」


「…え…。」


思考が停止しそうなくらい、酸素が足りない。

空気を渇望している私は、肩で呼吸を繰り返す。


「玲の、感じている顔、見てたい。」


「たす、―――っ。」


荒々しく息をする私の唇に、翼の指が触れた。

たったそれだけのことなのに、何でこんなに胸が苦しくなってしまうんだろう…。

翼の瞳が、切なそうに、私に語りかけるから…。

どうしようもなく、苦しくて、泣きそうになってしまうの。


「玲の、顔を…ずっと見ていたいんだ。」


「…わた…し…?」


私の、顔…?
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