* another sky *
◇ TASUKU
「えっ??」
――――、まじか。
「籍、式が終わるまで待たなくても、いいんじゃないかって…。」
―――――。
大きく目を見開いてしまった俺を、玲は不安そうに見つめた。
一旦、落ち着こうと大きく息を吐くと、玲は泣きそうな声で呟く。
「…駄目、だった?
やっぱり式が終わるまで、待った方がいいかな??」
「いや、そうじゃなくて。」
いや、―――。
驚いては、いるんだけど。
そんなウルウルしちゃって…。
俺が玲に、駄目だっていうわけ、ないだろ。
玲の背中に腕を回し、ゆっくりと起き上がらせた。
「玲には、いつもドキドキさせられるよ…。」
「え、―――?」
お互いの、鼻と鼻がくっ付きそうなくらいの距離。
玲の頬を両手で包み込み、そのまま髪の中に指を入れた。
すっと視線を逸らした玲を、下から口づけて顔を上げさせる。
「…んんっ…。」
離れた唇と唇は、今にもまた触れ合ってしまうくらい、近くて。
少し開いた玲の唇に、俺はそっと舌を這わせる。
おっと、―――。
俺が何も言わないことに、玲は泣きそうになっている。
ったく、もう。
いちいち、反応が可愛くて、つい意地悪したくなるんだよね。
よしよし。
ちょっと、待ってろよ。