* another sky *


「愛してる…。」


俺は君の全てを守っていくから。

玲を一生、愛するって誓うよ。


まじまじと婚姻届を見ていた玲の視線が、俺と交わる。


上目づかいに、

「ふふ、私もー。」

なんて笑うから。


俺の心臓はどきんとまた、跳ね上がる―――。

あーあ。

そんなひとつひとつの仕草が、俺を夢中にさせるんだ。


「籍、入れよっか。」


「うんっ。」


即答する玲が可愛かった。


そして玲は、俺の一番大好きな表情をして、嬉しそうに笑ったんだ。


「でも、日にちとか、いいの?

思い入れのある日にち、とか、日取りがいいとかあるだろ?」


「ない。」


「ないの?」


「そんなの、ないもん。」


「もん、って言うな、もんって。」


俺は玲の額を、つん、と突いた。


ほらね。

玲の、不思議なところは、こういうとこも。


玲はあんまりそういったものに執着していない。

誕生日だとか、クリスマスだとか…。

女の子には大切なイベントも記念日も、そこまで重要視してないんだな、これが。


流れのままに結ばれた俺たちは、いったいいつから恋人になったんだろうという話をしたことが合ったんだ。


「いつかな?」


玲の発した言葉は、それだけ。


初めて手を繋いだ日?

キスをした日?

あの、初めて結ばれた日?

体の関係はなくても、微妙な関係が長く続いたわけで。

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