* another sky *

「俺はずっと玲が好きだったから…。

玲と初めて…そうなった日が、そうだと思うけど…。」


「じゃあ、それでいいよ。

いつだっけ??」


―――――。


逆だろ、玲。

男があやふやでも、女はさ、ちゃーんと日にちとか覚えてるもんじゃないの?


「ふふ、わかんないね。」


なんて、あんまり可愛く笑うから、俺もそういうの、どうでもよくなったんだよね。


「じゃあ、明日にしよっか。」


え、―――???


「明日??」


…それまた急だね。

俺は可笑しくなって、玲を見つめた。


「いいよ。じゃあ、俺、出してくる。」


「え、私も行くよ??」


「玲、仕事じゃん。

あ、帰り、待ち合わせする??」


怪訝な顔をした俺に、玲は嬉しそうに目を輝かせた。


「それがね、諏訪さんが昨日頑張ったから、明日は休んでいいって!!

翼も怪我してるし、二人でゆっくり休め、って!!」


―――――!!!


「まじか。」


「うんっ。今日の案件はしばらく向こうの連絡待ちになるし。

私が抱えてる仕事も落ち着いたから、有給使えって。

やったー!!」


ああ、もう。

無邪気な顔をして、喜ぶ玲に俺も自然と目を細めてしまう。

諏訪さんにも、頭が上がらない。

俺たちのこと、よく、見てるよなあ…。
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