* another sky *
「あーん、もう。緊張してきた…。」
大きな扉の前に立つと、より一層、緊張感が高まってくる。
真っ白なウエディングドレスを身に纏った玲が、不安そうに俺の手を取った。
「ドキドキする…。」
「大丈夫だよ、お姫さま。
今日の玲は、最高に可愛いんだから。」
「ほんと??」
「めちゃめちゃ、綺麗だよ。」
「翼も格好良いよっ。」
嬉しそうに覗き込む表情に、何だか俺の方が感動して泣きそうになる。
本当に、綺麗だよ、玲…。
うわあ…。
俺、まじで、メロメロ…。
どうしようもないな。
「俺の奥さん、まじ最高。」
「えへへ。」
嬉しそうに笑う玲に素早くキスをした。
「あー、今すぐ、脱がせたいくらい。」
「あっ、もう、馬鹿っ…。」
恥ずかしそうに目を伏せた玲に、一気にドキドキする俺。
さあ、―――。
この扉の向こうには、俺たちを祝福してくれる人が待っている。
玲、笑って。
いつまでも、可愛い俺だけの玲、でいて。
玲がいつも笑ってくれるなら、俺はどんなことだって、何だってしてあげるよ。
いつまでも仲良く。
おじいちゃん、おばあちゃんになるまで。