* another sky *
私たちが一緒に暮らし始めてから、もうすぐ二年の月日が経つ。
お互い生活リズムが違うからそれぞれ個室を持ってはいるけれど、寝るときは必ずベッドルームで一緒にっていうのが二人の決めごと。
よって、お互いがそれぞれの個室に入ることは滅多にない。
「あ……」
部屋に仄かに香る、翼の匂い。
またしばらく会えないのか……。
ほんの少しセンチメンタルな気分になってしまった私は、その甘い香りをすーっと吸い込んで。
それを閉じ込めるかのように、慌ててドアを閉めた。
「何、今年も翼君、いないの?」
街はすっかりクリスマスのイルミネーション。
どこもかしこもクリスマスツリーの電飾に彩られて、人々の視線を釘付けにする。
「いないんですっ」
少し拗ねた顔でわざと溜息を吐きながら、送り状の伝票に翼の宿泊するホテルの住所を記入する。