* another sky *

玲がいつも何時に帰ってきてるのか、詳しくはわからない。


平日は特にそうなんだよな。


俺たちは生活のリズムが違い過ぎて、へたすると顔を合わせるのがベッドの中だけだったって日もある。


そういやこの前も、―――。


23時頃家に帰ると、まだスーツ姿のままの玲がいて。


コンビニのおにぎりを頬張りながら

「おかえりー」

なんて言われるとね。


食事すらしてなかったのかと驚くことも一度や二度じゃないわけで。


正直、―――。


もうちょっと仕事をセーブしてもいいんじゃないかって思ってたんだ。


「諏訪さん、大丈夫っすか??」

「いいの、いいの。
拗ねてるけど、吉野が休みを取らないのは諏訪君もずっと気になってたから」



桜木さんから連絡があったのは、先週のこと。


年末年始にかけて、アイスショーで家を空けることが多くなる俺。


多分、それを見越して玲は週末も仕事に出てくるだろうと心配した桜木さんが考え出した一つの案。



「ねえ、翼君、―――。

吉野もどっか連れてってあげてよ」

< 737 / 769 >

この作品をシェア

pagetop