* another sky *
ただ、――――。
普通に誘っても絶対来ないだろうなと推測して。
ワスレモノ。
玲が届けてくれるようにと、二人で一芝居打ったってわけ。
まあ、ぶっちゃけ。
タブレットで十分事足りるわけで。
ショーでパソコンなんて、使わないんだけどね。
「吉野から連絡あった??」
「いや、ないっすよ」
「じゃあ、明日の朝かもね。
多分そっちに着くのは日付が変わる頃だと思うわよ」
「まあ、玲のことだから気を使って、今日のところは何も言ってこないでしょうね」
自分の行動がここまで人に読まれてるなんて知ったら、玲は驚くだろうな。
きっと同じことを考えていたんだろう。
桜木さんの明るい笑い声が、聞こえた。
「じゃあ、あとはよろしくね。
吉野の仕事も写真を撮ってくるくらいで半日もかかんないの。
時間があったら翼君も一緒に回ったらいいわ。夜景がすっごい綺麗なんだって」
「わかりました。
じゃあ僕は玲から連絡が来るまでおとなしく待ってます」
さてさて、――――。
どうしようかな。
おとなしくなんて、待てるわけがない。