* another sky *
「玲の鈍感さにどん引き…。」
…え、―――。
やっぱり鈍感かな、私。
「普通、気づくでしょ。気づくよね?」
そんなこと言ったって、航太はみんなに優しかったんだもん。
私だけなんて、そんな身の程知らずなこと…思えないもん。
「そこが玲の持ち味なの。玲は素直で、純粋なの。」
麻友理がさりげなくフォローしてくれるから、私は泣きそうになってしまう。
「ま、麻友理…。」
「でもね、…。」
ん、―――?
「玲ったら、私、騙されてるのかもって、ずっと言ってたんだよっ。」
あ、それ、今、言わないで…。
「告白されたんだけど、もしかして罰ゲームだったのかな、って。」
―――――――!!
「まじかっ。」
佐藤君は大きな溜め息を吐きながら、
「航太、玲ちゃんのこと、大事にしろよ。」
と、身体を投げ出しながら言う。
「わかってるよ、…ったく。」
航太は、真っ赤になった私を見て、みんなから見えないようにぎゅっと手を繋いでくれた。
航太、―――。
「…ごめんね、玲。」
みんなに聞こえないように、耳もとで呟くと、繋いだ手を、指を絡めるように握り直す。