* another sky *
柔らかなキャンドルの灯りが、窓に映る。
高層タワーにある、フレンチレストラン。
窓の下には、東京の夜景が広がっている。
「凄いね、ここ。
東京タワーが見えるよ。」
「綺麗だよな。」
航太の優しい微笑みに、ちょっぴり緊張していた私も気持ちが和らいでいく。
「玲、お誕生日おめでとう。」
「ありがとう。」
嬉しいな…。
ああーん、もう、私、幸せだぁ。
週の真ん中、水曜日。
仕事帰りの航太に合わせて、夜からのデート。
何だか大人のデートみたいで、少し照れくさい。
明日は祝日だし、航太とゆっくり一緒にいれる。
あー、もう!!
嬉しくて、嬉しくて、テンションが、やばい。
スーツ姿の航太に合わせて、ちょっと大人っぽいワンピースを選んでみたけど…。
どうかな。
どうかな。
気合い入れ過ぎちゃったかな。
「今日は、特別、可愛いじゃん。」
航太の第一声が、本当に嬉しかった。
「いつも頑張っておしゃれしてくれて。
玲は自慢の彼女、だよ。」
私の巻いた髪に指を入れながら、航太はそれを弄ぶように触る。
「早く、玲に、触りてっ。」
耳元で囁かれた、その言葉の甘さを噛みしめて…。
ドキドキと心臓が、早鐘を打ち始めた。