Enchante ~あなたに逢えてよかった~

「・・なに?!」

「この魅惑的な唇と・・・・・」



三木は抱いていた絢子のウエストのラインを確かめるように
ゆっくりと艶かしく撫で上げた。


「この官能的なボディを前にして、澤田は大人しくしていられるのかな?」


ん?と絢子の瞳を覗き込むように近づけた三木の視線には
愉悦の色が浮かんでいた。


「もう学生の頃とは違って大人の男だからなあ、アイツも。
女の色気に臆するなんてことはないだろうし?」


近づいた三木の視線がふっと逸れたかと思いきや
彼の髪がふわりと絢子の頬を掠めた刹那
彼女の項に軽く三木の唇が触れた。


「んっ」

「敏感だね」



クスクスと笑った三木の吐息に首筋を擽られて
絢子は首を竦め身を固くした。



「いい匂いだ・・・」

「三木さん」

「香水かな?それとも 貴女の・・・雌の匂いかな」


吐息だけで耳元に囁いた三木の唇が
そのまま耳朶を甘く食み、ゆっくりと首筋を伝い下りていった。


「・・・やめて」

「どうして?シたくなっちゃうから?」



これは三木の挑発だ。そう直感した絢子は
それに乗るまいと抗いも、身動きもせず、目も逸らさず
抑揚のない低い声で言った。



「放してください」



三木は あはは、と嘲るように笑った。


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