Enchante ~あなたに逢えてよかった~
6 蜜月
長い話を終えて絢子はふぅと小さく息を吐き
「驚いた?」 と悲しげに微笑んで見せた。
掴んだままでいた彼女の手首を引き寄せた澤田は
脱力した絢子の身体をそっと包み込むように抱きしめた。
「いや・・・驚くより納得した」
「納得?」
「貴女のような人がどうして一人でいるのかと不思議だったから」
「かいかぶり過ぎよ。結局・・・私は失敗したんだから」
「失敗じゃない。勇気がなくてはできない 『選択』 をしたんだ」
「そうね・・・。うん。ありがとう。でも・・・」
ん?と駿は絢子の瞳を覗き込み、なに?と吐息だけで問うた。
「貴方のような人がわざわざバツがついた女を選ぶことはないわ」
「幸せになる為についた『バツ』なら、誇らしいことだと俺は思う。
卑下することは無い」
「澤田くん・・・」
「貴女にとっての辛い過去も俺は愛しく思う。
それがあって今の絢子さんがあるのだから」
「・・・・・」
「貴女が好きだ。貴女が欲しい」
躊躇いも迷いもない自信に満ちた声に
絢子の心が震えた。三木の言う通りだと思った。
これほどの男に、これほどまで言われてどうして拒むことができようか。
どんなに頑なに心を閉ざしてみても、恋をする感情は
ままならないものなのだと悟った絢子はもう抗う事をしなかった。
澤田の背中に腕を回し強く抱きしめて
「私も」 と囁いた唇を彼のそれに重ねた。
「驚いた?」 と悲しげに微笑んで見せた。
掴んだままでいた彼女の手首を引き寄せた澤田は
脱力した絢子の身体をそっと包み込むように抱きしめた。
「いや・・・驚くより納得した」
「納得?」
「貴女のような人がどうして一人でいるのかと不思議だったから」
「かいかぶり過ぎよ。結局・・・私は失敗したんだから」
「失敗じゃない。勇気がなくてはできない 『選択』 をしたんだ」
「そうね・・・。うん。ありがとう。でも・・・」
ん?と駿は絢子の瞳を覗き込み、なに?と吐息だけで問うた。
「貴方のような人がわざわざバツがついた女を選ぶことはないわ」
「幸せになる為についた『バツ』なら、誇らしいことだと俺は思う。
卑下することは無い」
「澤田くん・・・」
「貴女にとっての辛い過去も俺は愛しく思う。
それがあって今の絢子さんがあるのだから」
「・・・・・」
「貴女が好きだ。貴女が欲しい」
躊躇いも迷いもない自信に満ちた声に
絢子の心が震えた。三木の言う通りだと思った。
これほどの男に、これほどまで言われてどうして拒むことができようか。
どんなに頑なに心を閉ざしてみても、恋をする感情は
ままならないものなのだと悟った絢子はもう抗う事をしなかった。
澤田の背中に腕を回し強く抱きしめて
「私も」 と囁いた唇を彼のそれに重ねた。