89×127



次の日の放課後、今度は数学の教科書を持ってあたしの前に現れたともやんの脛を蹴り上げたのは記憶に新しい。



「脛はやめてくれ。脛は。」とかなんとか言っていたがそんなことは知らぬ。

あたしはともやんの家庭教師かなんかなのか。金取るぞおい。



「中川くんに、話してくれたんだろうね?」


「あー、まだ…」


「帰ってください。」


「え、まっ、オレお前がいないとダメなんだよ!」


「しばらく距離を置こうって言ったじゃない!」


「何この感じ、スゲーうざい!」


「ともやんが悪いんだからね?!ともやんが、」


「何ゴッコか知らないけど、オレは数が…」



ガラッ



「部長!」


「「え、?」」



昨日に引き続き悲劇のヒロインゴッコをしていると、またもや物音。



というか、後ろの扉が勢いよく開いて、そこから中川くんが現れた。



わー、久しぶりにちゃんと見る中川くんだー。



嬉しいけど、やっぱ心臓が急稼働して苦しいぜ☆

これが恋の病ってやつだな!



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