89×127

その日はともやんと中川くんと肩を並べて下校したわけだが、あたし・ともやん・中川くんと言う、ともやんをセンターに置く布陣で歩いてしまったため、ともやんが邪魔であんまり中川くんと話せなかった。



ともやんめ、いいところで邪魔しやがって。

ともやん無駄にデカいから中川くんの前で壁になるし。


でもまぁ今日は学校でいっぱい話せたし、いっぱいドキドキしたし、もう我儘は言うまい。



「あ、空が…」




中川くんのその一言に空を見上げると、闇色の迫るグラデーション。


夕日の茜色が西の空に吸い込まれ、闇色が茜色を追いかける。


こんなきれいな空を見逃していたなんて、いくら中川くんに集中していたと言え、お兄さんに怒られちゃうな。





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