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「真鍋先輩…?」
「え、おま、何泣いて…」
ともやんの言葉を聞いて、頬に濡れた感触があることに気が付いた。
あたし、泣いてんのか。
「なんかね、あまりにも空が美しくってさ?涙出てきちゃった!」
お兄さんのこと思い出して涙が出てくるだなんて、あたしも随分お兄さん大好きだったんだなぁ。
なんか、今ならお兄さんが言っていたことの意味も少しだけわかる。
明日を迎えるには、一度闇を受け入れなければいけない。
闇は暗くて怖いかもしれないけど、それは次の朝を迎えるための準備。
今日雲が厚くても、明日は晴れるかもしれない。
今日雲一つない青空でも、明日は稲妻が空を切り裂くかもしれない。
どうなるかはわからないけど、明日を迎えるために、今日も闇を受け入れよう。
あたしたちもそれと同じだ。
毎日は変化に溢れていて、同じ日なんて一日もない。
明日のことは誰にも分らないけど、それを受け入れて生きていくことが何よりも強く美しいことなんだ。
そのために闇に沈むこともあるかもしれないけど、それは明日を迎えるための準備だから、悪いことなんかじゃないんだ。