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「なんか、青春してんなー」
「こんなに心臓痛いもんなんっすね青春って。」
「そりゃあそうだろ。青春は楽しいことばっかじゃねぇからな。今のうちにその痛みを楽しんでおけよ。」
「うわ、なんか今の教師っぽかったよ松下たつのり。」
「教師っぽいと思ったんなら先生ってつけてくれていいんだぞ。」
「松下たつのりは松下たつのりだからなぁ…」
「なんでそこ頑なに呼ばないんだよ。」
「なんでだろうねぇ。自分でもよくわからんなぁ。」
別に尊敬してないわけじゃないんだ。
でも、なんか松下たつのりって先生っぽくないっていうか、親しみやすいから他の先生とは別っていうか、面倒見のいい兄ちゃんみたいだよな松下たつのりって。
「兄ちゃん!これからもよろしくな!」
「どうしてそうなった?!」
「あ、真鍋発見。」
名前を呼ばれた方に顔を向けると、ともやんが英語の教科書片手にこちらに向かってきていた。
「あらともやんどうしたの?」