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そのあと、教室の電気を消して三人で廊下に出たわけですが、職員室に荷物を取りに行くからついて来いというビビり全開の松下たつのり。



見ていてとても愉快なので、ちゃんとついて行ってあげることにしました。


このことは明日にでも渚さんに教えてあげよう。




「じゃ、気を付けて帰れよ」


昇降口がすでにしまっていたため、職員用の出入り口から出たあたしとともやんになんとも先生っぽいことを言う。

まぁ、先生なんだけどね。



「松下たつのりも気を付けて帰るんだぞー」


そんな疲れた顔で車だなんて、危なくて見てられないわ!



「わーってるよ。オレには家で待つ可愛い嫁がいるんでね、細心の注意を払って帰宅しますよ」


「急にのろけましたね」


「松下たつのりったらウザいんだからもう」


「お前ら早く帰れ。特に津川は一刻も早く帰って勉強しろ」



それだけ言って駐車場に姿を消した松下たつのりの背中に笑顔を向けながらも、ともやんが勉強しなきゃいけないってことはその通りなので、大人しく帰宅したあたしたちでした。






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